検査値・基準値一般・尿と病気

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検査値・基準値一般


検査値・基準値一般/尿と病気


検査値・基準値一般・痛み・病気

- 検査値・疾患(病名)・基準値一般 -

 home(尿と病気)>検査値・基準値一般          検査値の見方

  臨床検査

    臨床検査とは来院患者に実施する検査で患者の病気の診断、重傷度判定、臨床経過の観察、治療効果の

    判定、治癒・予後の判定がもとめられます。 また臨床検査には
検体検査生体検査があります。検体検査

    とは血液、尿、便、喀痰、胸水、腹水、消化液、汗、膿分泌液、.などの検査があります。一方、生体検査

    とは心電図検査、超音波検査、脳波検査など患者自身を対象にしたものです。





  
POCT(point of care testing)
  
    臨床検査の中にはPOCTと呼ばれ、米国で永い歴史(1980年代から)をもち臨床検査の%の比率のある検

    査方式があります。 日本ではまだ5〜10%程度といわれていますが、それは「医師・看護士・検査技師など

    が患者のベッドサイドで簡易機器を使用して、検査成績がすぐに得られる臨床検査」です。 検査内容は血液

    ガス検査、電解質検査、血算、HbA1c、 血糖検査、妊娠反応、免疫クロマトグラフィーによる感染症検査、心

    筋マーカー、 肝炎マーカーなどが実施され、 検査成績が出るまで1〜5分という短時間で結果が得られ、機

    器が安価で操作が簡便、 精度が高いなど優れた利点があります。 そのため瞬時患者治療にフィードバック

    でき、在院日数を短縮できる。 問題点としてはコストがやや高く、医師、看護士、外来患者が信頼できる検査

    値を得られるようにトレーニングが必要な事などが有りますが、 利点を考えれば日本でも早晩、普及して行く

    ものと考えられます。 尿検体には尿検査(尿糖、蛋白、潜血など)血液検体には血液生化学検査(血糖、コレ

    ステロール、クレアチニン)、電解質/血液ガス検査(ナトリウム、カリウム、クロール、PCo2)、血液検査(血算、

    PT、APTT)、 免疫検査(CRT、ASO、妊娠反応)、肝炎マーカー検査(B型、C型肝炎検査)、心筋マーカー

    (トロポニン、CK-MB)などが検査されます。





  
救急検査・緊急検査

    その他救急車で搬送されてきた患者、入院中患者の病状急変などの際に対応する検査が緊急の検査です。

    緊急の検査は
救急検査緊急検査に分かれています。 救急検査は生命維持のため、呼吸、循環を中心とし

    て生じた病的状態を緊急に脱出して生命の安全、 維持機能を保つことを目的とした検査です。組織、酸素欠

    乏状態からの救出のための検査です。




    一方緊急検査は次の段階の応急処置、早期治療のための検査で、緊急検査は早期治療の方向付けをする

    上で重要な位置づけにあります。 検査項目は電解質、血糖、総蛋白、BUN、AST、ALT、LDH、ビリルビン、

    血小板数、FDP、白血球数、赤沈、CRP、尿検査、髄液検査、血液培養、心電図などがあります。





  
  パニックバリュー(panic values)とは患者の生命が危険にさらされるであろう異常な検査成績のことで直ちに

    適切な処置を取らなければならない緊急異常値です。これは誰しもが疑う余地のない緊急状態でありこれを

    示すために厳選された、治療に直結する少数項目になります。



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                        -検査値・疾患(病名)基準値/基準値・検査目的・概要-

検体検査/
一般検査/
病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 一般検査/尿量 1000〜1500 ml 尿量を検査することにより腎機
能の働きを調べる。腎は体内の
老廃物を尿中に排泄し、尿量を
調節し、ホメオスタシスを維持
する。
腎機能や他の臓器の異常を尿量で
調べる。検査は尿量の異常、高窒
素症、低蛋白質症、血中電解質異
常、尿蛋白、尿糖、電解質、ホル
モン定量的検査、クリアランス試
験などが必要な時に実施。
 一般検査/尿PH PH 5〜6 尿PHはアシドーシス、アルカロ
ーシスが疑われる場合、腎・尿
路結石がある場合、尿道感染症
がある場合、アルカリ性薬剤の
投与及び下痢、嘔吐がある場合
などに検査される
通常、尿PHは4.5〜8.5の間である
。結石症でPH管理をしている場合
コントロールが必要。シスチン結
石、2・8ジヒドロオキシアデニン
結石、尿酸結石などは尿をアルカ
リに維持するべきである。
 一般検査/尿比重 1.015〜1.025 ml 多尿、乏尿、血液ガス異常、血
中電解質異常の時に検査され、
尿量と比重から尿中に排泄され
る固形物質の量も分かる。
尿中に溶ける物質として尿素など
窒素含有物とナトリウムなどがあ
るが腎障害がある場合は濃縮力が
低下するので尿比重から判定でき
る。尿浸透圧も測定できる。
 一般検査/尿蛋白 陰性 健常でも極微量は確認できるが
腎障害の場合、尿蛋白は多量に
確認できる尿路異常を確認する
重要な位置づけの検査。
尿蛋白の主成分はアルブミンで血
漿タンパク由来で、腎障害があれ
ば多量に検出できるので腎検査と
して非常に重要である。
 一般検査/尿糖 陰性 頻度の高い検査で、糖尿病のみ
ならず尿ルチン検査としても広
く実施される。
尿糖は通常ブドウ糖を指し、血糖
コントロールの指標として用いら
れ蓄尿から定量もできる。(一日
のブドウ糖排泄量も算出できる)
検体検査/
一般検査/
病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 一般検査/尿潜血 陰性 腎、尿路に含まれる赤血球ヘモ
グロビンを感度の高い反応を利
用して血尿として感知する出血
性疾患診断に有用な検査
肉眼では認められない潜血を顕微
鏡的に赤血球数を認めるもので内
科的血尿は潜血尿が多い。(肉眼
で確認できる血尿は泌尿器科的出
血が多い)通常、尿潜血と尿沈渣
赤血球数は比例する。
 一般検査/
尿ビリルビン
陰性 ビリルビンは肝・胆道系疾患の
場合、尿中にも排泄されるため
陽性を示す。
ビリルビンは胆道疾患、肝実質障
害で増加し、血中濃度が2〜3r/dl
以上であれば尿中ビリルビンは陽
性になる。
 一般検査/
尿ケトン体
陰性 糖尿病やそのたの糖代謝異常、
糖摂取異常などの確認のための
検査。
ケトン体の血中濃度が高くなれば
尿中濃度もあがる。糖質の利用不
足、飢餓などにケトン体は増加す
る。糖尿病患者のケトーシス確認
、インスリン欠乏状態の把握など
の糖尿病管理、嘔吐を繰り返す小
児患者、妊娠中毒患者などを対象
に確認検査が実施される。
 一般検査/
尿ウロビリノゲン
  
試験紙±〜+
アルデヒド法
       0.1〜1r/dl
アゾカップリング法
    0.2〜1r/dl
通常ウロビリノゲンは肝・胆道
系の篩い分け(スクリーニング
)検査として実施される。ビリ
ルビンと組み合わせて検査され
る。
通常ウロビリノゲンは肝・胆道系
の篩い分け(スクリーニング)検
査として実施される。ビリルビン
と組み合わせて検査される。
 一般検査/尿沈渣 赤血球
(0〜4個/HPF)、

白血球
(0〜4個/HPF)、

扁平上皮
(0〜1個/5HPF男、
0〜10個/HPF女)、

移行上皮
(0〜1個/10HPF)、

尿細管上皮
(0〜1個/10HPF)、

卵円形脂肪体(-)、

細胞質封入体細胞
(0〜1個/WF)、

硝子円柱
(0〜10個/全視野WF)

尿中に各種有形成分の確認され
る状態は病的で、この成分観察
を顕微鏡レベルで確認する。腎
・尿路系及び全身的疾患が疑わ
れるとき検査実施。
腎臓で尿が形成され量路から体外
排泄までに腎・尿路を構成する組
織の細胞、組織で形成される構造
物、及び血球などの有形成分が尿
中に剥離、混入する。健常人には
有形成分は殆ど見られないが病的
状態の場合の特異形態、状況で多
量に確認でき、顕微鏡レベルでの
検査となる。腎・尿路系、全身的
疾患が疑われる時に検査実施。
検体検査/
一般検査/
病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 一般検査/便性状 黄褐色・PH中性 便の形や硬さから消化、吸収、
分泌の状態、腸管の運動や狭窄
の有無 色調や付着物は出血や
炎症の存在、胆汁色素排泄の状
況を判定する。(新鮮な便で無
ければならない)PHは試験紙で
検査する。
顕微鏡レベルの検査も含め食物残
渣や異常産生物(粘液、膿、血液
、結石、組織成分、結晶など)の
有無などで検査判定をする。
 一般検査/
 便潜血反応
陰性 便中の出血を確認する。肉眼で
は確認できない微量出血を確認
する。主に消化管潰瘍、癌、炎
症などの診断、経過観察にも採
用されている。
便中のヘモグロビン(Hb)を高感
度で検出し消化管潰瘍、癌、炎症
などの診断、経過観察のための検
査判定をする。
検体検査/
血液検査/病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 血液検査/
 白血球数(WBC)
3500〜9000/μl 免疫系機能として極めて重要、
白血球の現象は易感染性の重要
な指標で増加は細菌感染、組織
障害、炎症の存在を判定する指
標となる。
白血球数の増加は白血球分画のい
ずれかが増加する病態、疾患や異
常増殖する造血器腫瘍の診断のき
っかけになる。抗癌剤治療、放射
線治療、臓器移植などの各種治療
での白血球減少モニタリング、薬
剤による無顆粒球症の篩い分け(
スクリーニング)に利用される。
 血液検査/
 赤血球数(RBC)
400〜540万/μl(男)
370〜500万/μl(女)
赤血球数は貧血、多血症の重傷
度の指標となる。
貧血の原因には赤血球の喪失、破
壊亢進、成熟赤血球の産生不良が
ある。貧血は白血病、骨髄異形成
症候群、骨髄線維症、癌転移(骨
髄疾患)、癌、慢性感染症、慢性
炎症性疾患、慢性腎疾患や内分泌
機能低下の診断の手がかりとなる
。赤血球増加の原因には赤血球数
が絶対的に増加する骨髄増殖性疾
患、心肺機能異常などに続発する
多血症や赤血球数が相対的に増加
する場合がある。
 血液検査/(HT)
 ヘマトクリット値
40〜50%(男)
34〜44%(女)
ヘマトクリットは全血液中の赤
血球が占める割合(%)で貧血
や多血症の重傷度指標。
貧血を確認するということは白血
病、骨髄異形成症候群、骨髄線維
症、癌の転移(骨髄疾患)、癌、
慢性感染症、慢性炎症性疾患、慢
性腎疾患や内分泌機能低下の診断
の手がかりとなる。
検体検査/
血液検査/病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 血液検査/(Hb)
 ヘモグロビン量
13.0〜17.0g/dl(男)
11.5〜16.0g/dl(女)
ヘモグロビンは赤血球内に含ま
れる血色素のことで、ヘモグロ
ビン濃度はヘマトクリットと共
に循環赤血球量を評価して貧血
や多血症の判定指標となる。
酸素運搬量はヘモグロビン濃度、
ヘモグロビンの酸素飽和度、ヘモ
グロビン酸素解離曲線、組織の酸
素分圧で決まる。
 血液検査/
 血小板数(PLT)
15〜35万個/μl 出血傾向の原因推定に使用、末
梢血液中に存在する血小板数を
算出する。
血小板は骨髄中の巨核球から産生
され止血の機能を有するものであ
るので数量と機能(質)の異常は
出血、血栓出現を来たすことにな
る。血小板数を判定する事は出血
傾向の原因が数的なものか機能的
なものかを判定するために有効。
血小板輸血タイミングの判定にも

 血液検査/(ESR)
 赤血球沈降速度
2〜10o/hr(男)
3〜15o/hr(女)
感染症・膠原病をはじめとする
体内の炎症、組織の崩壊や多発
性骨髄腫の状名血漿蛋白異常の
際、敏感に高値を示す。
赤沈、血沈と呼ばれ、検査が簡単
なので初診時スクリーニング検査
、慢性疾患における経過観察時の
治療の指標として使われる。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(Na)
 血清ナトリウム
135〜145mEq/l Naは細胞外液の大部分を占め、
体液の酸、塩基の平衡や体液量
、体液の浸透圧の維持に関与す
る。ナトリウム代謝は主として
副腎皮質ホルモンにより調節さ
れる。
食物摂取によるNaは約1%が利用
され残りは腎臓から関連するClと
共に尿中に排泄される。浮腫や脱
水、多尿、乏尿、口渇異常、下痢
、嘔吐などの症状や、原因不明の
意識障害、腎疾患、肝疾患、循環
器疾患、内分泌疾患患者や利尿剤
や輸液の加療の管理、術前、術中
、術後の管理に測定する。
 生化学検査/(k)
 血清カリウム
3.5〜5.0mEq/l 血清カリウム濃度の変化が神経
、筋肉、心臓収縮機能に重大な
影響を与える。
血清カリウムの測定は水・電解質
異常が疑われる時、不整脈、麻痺
、自律神経症状、骨格筋崩壊など
神経、筋肉野異常が考えられる時
、リ用材を使用している時に検査
する。血清カリウムは細胞内外の
分布と摂取量、尿中排泄の調節に
より代謝が維持されている。
 生化学検査/(Cl)
 血清クロール
96〜108mEql/l 代償性アシドーシスなどには酸
・塩基平衡異常を把握する手法
として重要な検査
浮腫、嘔吐、下痢、利尿剤投与時
、補液中など水・酸塩基代謝異常
を疑う時に検査する。血清クロー
ルイオン濃度の増減で水代謝異常
や酸塩基平衡異常状態をNa濃度と
対比させて判定する。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(Ca)
 血清カルシウム
8.5〜10.2mg/dl 血清凝固、酵素の活性化、筋肉
収縮、神経伝達、ホルモン等の
情報伝達に重要な役割を果たす
必須な物質
血清Caは厳密に副甲状腺ホルモン
(PTH)や活性型ビタミンDにより制
御されている。この作用過剰や作
用不足が様々な症状をもたらす。
Caは99%は硬組織(骨、歯)に
その他に1%、血液中には0、1
%しか存在しないが、血清Caの果
たす役割は極めて重大である。
Ca異常の臨床症状は軽度でも濃度
が急激に変化する時に起こり易い
。高値でゆっくり変化する時は起
こり難く、12〜13mg/dl以上の高ca
血症が短期間に生じれば命に関わ
る。
 生化学検査/(Mg)
 血清マグネシウム
1.8〜2.4mg/dl 酵素の活性化因子としての要、
多くの酵素が種々の代謝のため
にMgを介して働く
 人の体内にあるMgの60%は骨
、20%は筋、19%は他組織に
、1%が細胞外液に存在する。
Ca同様血中濃度は極めて狭い範囲
に調節されており、その調節は摂
取量、腎機能、種々のホルモン、
電解質が関与している。Mgの測定
の普及に伴い、疾患との関係が明
らかになってきた。各種症状、疾
患が疑われる時に検査確認される
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(Fe)
 血清鉄
80〜200μg/dl(男)
50〜150μg/dl(女)
血清鉄を測定する事により血管
内を搬送されている鉄の量を確
認している事になる。
人の体内にあるFeの大部分がヘモグ
ロビンの中に含まれている。血清鉄
は体内の全鉄量の0、1%で血清蛋
白のトランスフェリンと結合して存
在している。鉄は赤血球内に存在す
るヘモグロビンの原料である。腸管
から吸収される鉄は1mg/dayである
。通常血清鉄とフェリチンの値は相
関して増減するがフェリチンの上昇
をきたす様な悪性腫瘍がある場合に
は血清鉄が低下し、フェリチンの値
が増加する事がある。フェリチン、
血清鉄が低下する鉄欠乏状態が持続
すると血液一般検査ではまずMCV
の低下が起こり、その次にヘモグロ
ビンが低下する。
 生化学検査/(TP)
 血清総蛋白
6.5〜8.0g/dl 血清総蛋白の生体内に於ける主
な機能は大別して浸透圧の維持
、種々の物質と結合して必要部
位に搬送、栄養素、補体、抗体
として液性免疫など様々な役割
を果たす。
血清総蛋白は血液中の凝固因子を除
く蛋白の総量を求めるもので約百種
類以上の蛋白成分の総和である。蛋
白成分の果たしている生理作用の概
略を推定するのが検査となる。
 生化学検査/(BUN.UN)
 血清尿素窒素
8〜20mg/dl 腎機能、その他諸臓器の指標
蛋白の最終産物で不要なものは腎臓
から尿中に50〜70%排泄されて
いる。腸管内で産生されたアンモニ
アはそのまま吸収されて門脈から肝
臓に入り、肝臓の
オルニチン回路
でアンモニアから尿素が産生され無
毒化されることになる。腸管内で出
血があるとアンモニア合成が盛んに
なり肝臓では尿素の産生が亢進し血
清尿素窒素が上昇する。腎機能検査
はクレアチニンと合わせて測定され
るが
BUNの異常増加は高尿素窒素症
と呼ばれ、BUNのみが異常増加して
いれば腎障害以外の病態(腎前症、
腎後症)の判定を行う。両者共に増
加していれば腎不全などの腎性尿素
窒素血症が考えられる。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(cr)
 血清クレアチニン
0.6〜1.1mg/dl(男)
0.4〜0.8mg/dl(女)
感度の高い腎障害の指標、腎臓
の糸球体でろ過、排泄された後
、尿細管では再吸収、分泌を殆
ど行わない。そのため糸球体濾
過率(GFR)の低下する腎不全、
高度な腎血流の低下による病態
(脱水、ショック等)などで上
昇する。クレアチニン産生量は
筋肉総量と相関するので血清濃
度は女性より男性に多い。小児
は低く(0.3〜0.5mg/dl)加齢に
伴い増加する。ただ高齢者は筋
肉量が減少するので相殺される
ため大きく変化しない。従い筋
肉量の少ない患者は見かけ血清
クレアチニン値に対して腎機能
が低下していることがある。腎
性以外の原因によりBUN及び血
清クレアチニンが増加している
患者では、腎機能低下を合併す
ると更に悪化するので要注意

血清クレアチニンは腎不全を疑う時
BUNと合わせて測定する。血液人
工透析の適応の際にも用いられ、更
に腎機能検査のスクリーニングにも
用いられる。
 生化学検査/(UA)
 尿酸
3.0〜7.7mg/dl(男)
2.0〜5.5mg/dl(女)

痛風、高尿酸血症、腎結石を疑
う時や腎機能検査、人間ドッグ
などのスクリーニング検査とし
て実施する。
尿酸はプリン体という有機物の最終
代謝産物で、血液中の尿酸は腎臓の
糸球体で濾過され3/4は尿中に、1/4
は胆汁と共に腸管内に排泄される。
血液中の尿酸は筋肉、骨髄、肝臓な
どで合成されるほか、食物中に含ま
れている核蛋白が分解し、プリン体
となり尿酸が生成される。尿酸の検
査は血液疾患、悪性腫瘍などで二次
性の尿酸異常が疑われる時に行う。
痛風治療の指標や血液疾患、悪性腫
瘍などの化学療法の際の腎臓への付
加を避けるための指標になる。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(Bil)
 血清ビリルビン
総ビリルビン
0.2〜1.0mg/dl
直接ビリルビン
0.0〜0.3mg/dl
間接ビリルビン
0.2〜0.7mg/dl
ビリルビンはルビー色の胆汁色
素で黄色から赤色の範囲にあり
血清の黄色は主にビリルビンに
由来する。ビリルビンの約70
%は老化赤血球の破壊により生
じるヘモグロビンの代謝物でそ
の他骨髄での無効造血と肝での
代謝回転の早いヘムとに由来す
るのが20〜30%である。網
内系においてヘモグロビンから
ビリルビンが生成される。これ
が血液中でアルブミンと結合し
遊離型ビリルビン(間接型)と
して存在する。遊離型は肝に取
り込まれてグルクロン酸抱合を
受けて抱合型ビリルビン(直接
型)となり胆汁中に排泄される
。これが胆管を通じて腸管に排
泄され腸内細菌で還元されてウ
ロビリノゲンとなり、大部分は
変化し、ステルコビリンとして
糞便中に排泄される。
総ビリルビンが2〜3mg/dl以上に上
昇し、皮膚が黄染した場合を黄疸と
いう。総ビリルビンと同時に直接、
間接型ビリルビンの区別を行う。

〇直接ビリルビンが総ビリルビンの
50%以上をしめる。
(直接ビリルビンの上昇は肝細胞障
害、肝内胆汁鬱滞、肝外胆汁鬱滞、
体質性黄疸を鑑別する必要がある。
)そのために一般肝機能検査、腹部
超音波検査を行う。間接ビリルビン
上昇は主に溶血性貧血や無効造血を
疑う。

〇直接ビリルビンが総ビリルビンの
20%以内である。
貧血、網状赤血球、血清鉄、骨髄像
など溶血検査を行う。

体質性黄疸;先天性ビリルビン代謝
異常
 生化学検査/(NH3)
 血中アンモニア
16〜66μg/dl 高アンモニア血症を疑う状況の
時に実施、血漿交換や浣腸など
の治療効果の指標にもなる。
成人は意識障害、痙攣、アンモニア
臭、高度の肝機能障害などが認めら
れた場合、小児では繰り返す嘔吐、
意識障害、知能障害などが認められ
た場合に高アンモニア血症を疑い検
査を行う。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/
 γ-GTP
0〜59U/l(男)
0〜22U/l(女)
肝障害、胆道閉塞を原因とする
胆汁排泄障害があると異常値を
示す。
主に腎臓、肝臓、脾臓、小腸に含ま
れる酵素で、肝細胞破壊、胆管閉塞
(胆管癌、肝癌、胆石)などの胃常
時に血液中に流出する。又、アルコ
ール性肝障害の人は高値を示す。
 生化学検査/
 リパーゼ
27〜71U/l リパーゼ(膵リパーゼ)は膵疾
患、総胆管閉鎖などの疑いがあ
る時に調べる項目。
膵外分泌細胞の変性や壊死、膵液の
分泌障害などにより、膵酵素を含む
膵液が血中に逸脱し血清リパーゼが
上昇する事を利用する。
 生化学検査/
AST(GOT) ALT(GPT)
0〜44U/l (AST)
0〜47U/l (ALT)
細胞の破壊を反映、相関する酵
急性肝炎ではASTGOT)と
ALTGPT)の値が高くなる
が発症後2〜3ヶ月で基準値に戻る
。慢性肝炎は活動性の場合200を超
えることが多い。劇症肝炎を起こす
と急速に肝細胞が壊死するため、A
ST、ALTは1000を超え、死亡直
前には低下する。飲酒し続け肝障害
が更に進行すればASTが上昇し、
アルコール性肝炎、アルコール性肝
硬変などの肝障害を起こしているこ
とが考えられる。その場合は超音波
検査も必要になる。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(ChE)
 コリンエステラーゼ
3500〜6000IU/l(BTC法)
200〜495IU/l(PB法)
血清中のChEは大部分肝細胞で
合成される。肝実質細胞の機能
と平行するため、主に肝機能検
査として実施される。
ChEは高値を示す場合は臨床的にも
それほど問題になる事はないが、低
値を示す状態では早急な対処、治療
が必要になる。
 生化学検査/(T-cho.Tc)
 総コレステロール
150〜219mg/dl 総コレステロールは主にLDLや
HDL中などリポ蛋白中に含まれ
るコレステロールと遊離型コレ
ステロールの合計値である。
高コレステロール血症は虚血性心疾
患や脳血管障害などの重要な危険因
子で総コレステロール値が高くても
善玉コレステロール(
HDL)が高い場
合は危険因子が高いとは言えない。
悪玉コレステロール(
LDL)の値に注
意が必要である。
 生化学検査/(HDL-cho)
 HDL-コレステロール
40〜86mg/dl(男)
45〜96mg/dl(女)
善玉コレステロール、末梢組織
へのコレステロールの蓄積を防
止する抗動脈硬化作用が有り、
冠動脈疾患の防御因子である。

低HDL-cho血症ということは防御作
用が低下する事であり冠動脈疾患の
重要な危険因子になる。低
HDL-cho血症が判明したら二次的な
基礎疾患を疑う必要がある。基礎疾
患がなければ高
TG血症の確認の必
要などがある。
検体検査/  
生化学検査/病名(疾患) 
基準値 概要 検査の目的
 生化学検査/(LDL-cho)
 LDL-コレステロール
70〜139mg/dl 動脈硬化と強い相関関係を持つ
悪玉コレステロールで動脈硬化
疾患の直接的な危険因子
ヒトのリポ蛋白中で最もコレステロ
ールが多く、肝臓や腸管から末梢組
織へコレステロールを運ぶ。
 生化学検査/(TG)
 中性脂肪
50〜149mg/dl 動脈硬化の危険因子、コレステ
ロールほどではない。
TGが1000mg/dl以上のものは急性膵
炎を起こす危険性が高い事が知られ
ている。
 生化学検査/(GLU.BS)
 血糖、グルコース
65〜110mg/dl(空腹時)
65〜160mg/dl(食後)
血糖は血中の糖質であり、ブド
ウ糖が主成分。
血糖値は恒常的に60〜140mg/dlに保
たれており、この機能障害をきたす
ことにより高血糖、低血糖を引き起
こす事になる。
 生化学検査/(HbA1c)
 グリコヘモグロビン
4.3〜5.8% グリコヘモグロビン(糖化ヘモ
グロビン)は血中のヘモグロビ
ンと血中グルコースの結合した
もので、その比率から血糖コン
トロールの状態の目安を把握す
る。
HbA1cは採血時点よりさかのぼって
過去1〜2ヶ月間の血糖コントロー
ル状況を反映するので、長期間の血
糖コントロールの良否の判定を目的
として用いられる。
検体検査/
免疫血清検査/病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 免疫血清検査/(RF)
 リウマトイド因子
(-)定性
40倍>半定量(RAPA法)
15 IU/ml>定量
RF(Rheumatoid factora)は関節
リウマチ患者血清中に見出され
た。RA(関節リウマチ)診断には
必須の検査である。
リウマトイド因子はヒトのみならず
他動物のIgGに反応する自己抗体で
種々の免疫グロブリンに属するもの
が知られている。
 免疫血清検査/
甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
抗サイログロブリン抗体
100倍未満 粒子凝集法
0.3U/ml以下 RIA法
3〜11 IU/ml以下 EIA法

対象となっている甲状腺疾患が
橋本病、バセドウ病であるか否
かの確認検査
甲状腺疾患のうち慢性甲状腺炎とバ
セドウ病の発症には自己免疫機序が
関与しており、甲状腺ペルオキシダ
ーゼやサイログロブリンに対して生
ずる抗体を検出して甲状腺疾患の判
定を行う。
 免疫血清検査/(CRP)
 C反応性蛋白
陰性 定性
0.2mg/dl以下 定量
急性期蛋白のうち最も代表的な
もので、炎症の有無とその程度
を確認する高度信頼性検査
感染症や組織の壊死などでその修復
過程を炎症と呼ぶが、その際、肝臓
で合成される蛋白のうち増加するも
のを急性期蛋白と呼び、血清中の
CRPを調べることにより、炎症や組
織の損傷、破壊の有無、重傷度、活
動性などの指標にできる。CRPは有
熱炎症性疾患の管理に使用される。
検体検査/
免疫血清検査/病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 免疫血清検査/(TSH)
 甲状腺刺激ホルモン
0.3〜4.0μU/ml 視床下部/下垂体/甲状腺系の異
常診断の上で最も重要な検査に
なる。
TSHは下垂体前葉殻分泌される甲状
腺刺激ホルモンで甲状腺の合成、分
泌、甲状腺組織の増殖を促進する。
そのTSHは視床下部のTSH放出ホルモ
ン(TRH)により分泌を刺激され、甲
状腺ホルモンにより分泌は抑制され
る様になっている。一般的にTSHの
低下は甲状腺機能亢進を、TSHの増
加は甲状腺機能低下に通じる。
 免疫血清検査/(FT4)
 遊離サイロキシン
0.9〜1.8ng/dl
免疫学的測定法
(RIA.EIA.CLIA)
血中FT4は甲状腺機能の診断判
定上最も重要な検査になる。
血中のFT4(Thyroxine)が高い時は甲
状腺機能亢進と判定する。FT4が低
ければ甲状腺機能低下と判定できる
。免疫学的方法によるFT4の測定が
行われるようになりFT4が最も重要
な甲状腺機能検査となった。
 免疫血清検査/(FT3)
 遊離トリヨードサイロニン
2.4〜4.3pg/ml
免疫学的測定法
(RIA.EIA.CLIA)
血中FT3は甲状腺機能の診断判
定上最も重要な検査になる。
血中T3の約3/4はT4が末梢で脱ヨー
ド反応によってT3に変換されてでき
たもので、血中の総T3は大部分甲状
腺ホルモン結合蛋白と結合している
ため遊離T3(FT3)は0.3%程度に過ぎ
ない。原発性甲状腺機能低下症の初
期ではFT4だけ低下しFT3は正常範囲
に保たれるがこれは、ホメオスタシ
スが働くためと考えられている。
検体検査/
免疫血清検査/病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的
 免疫血清検査/(IRI)
 インスリン
5〜15μU/ml(空腹時) 糖尿病の判定、鑑別の重要な検
査となる。
IRI
生体内で血糖を低下させる最強力な
ホルモン。インスリン分泌不足、イ
ンスリン作用低下で血糖値は上がり
その状態が継続すれば糖尿病を発症
する。
 免疫血清検査/
 エストロゲン
2〜20μg/day(男)
2〜20 非妊婦/卵胞期
10〜60 非妊婦/排卵期
8〜50 非妊婦/黄体期
10>  非妊婦/閉経後
15<  妊婦/32〜36週
20<  妊婦/37〜38週
25<  妊婦/39〜42週
主に卵巣や胎盤の機能の検査の
ために測定する
総エストロゲンは主にエストロン
(E1)、エストラジオール(E2)、エス
トリオール(E3)の3種類の合計をい
う。成熟期の女性のエストロゲンは
月経周期により変動し、妊娠期にお
いて主なエストロゲンはE3で胎盤で
産生される。その原料が胎児副腎や
肝臓で合成されるので胎児胎盤機能
を知る重要な検査である。
 免疫血清検査/(AFP)
 α-フェトプロテイン
10ng/ml 胎児肝細胞や卵黄(yolksac)で
産生される糖蛋白であり、肝細
胞癌の腫瘍マーカーである。
AFPは健常ならば極めて微量しか存
在を認めないが主に肝細胞癌(HCC)
高い陽性(45〜75%)になるため、肝
細胞癌の腫瘍マーカーとして利用さ
れている。
 免疫血清検査/
 PIVKA-U
40mAU/ml未満 肝細胞癌に特異に高い有為性を
示す腫瘍マーカーでAFPと共に
用いる。
PIVKA-Uは肝臓で生合成されるビタ
ミンK依存性凝固第U因子の前駆体
蛋白でdes-γ-carboxyprothrombin
ともいわれる異常プロトロンビンで
ある。腫瘍径が大きくなるに連れて
高値を示す傾向があり、数値が大き
いほど予後が悪い。
 免疫血清検査/(PSA)
 前立腺特異抗原
4.0ng/ml以下* PSA及びPSA-ACTは前立腺癌で高
値を示す病態反映型の腫瘍マー
カーで前立腺癌の有無の検査に
使用される。
PSAは前立腺組織に特異的に反応し
、前立腺からの何らかの逸脱機構が
働けば血中でも高値になる。前立腺
癌では病期の進行と共に著しい高値
をしめし、急性前立腺炎、経尿道手
術、膀胱鏡検査、直腸癌などの尿道
操作でも高値を示す。
 免疫血清検査/HCV)
 C型肝炎ウィルス検査
陰性 HCV抗体、HCV特異抗体検査、
HCVコア抗体、HCVセロタイプ
(HCV群別判定)、HCVコア抗原、
HCV-RNA定量検査、HCV-RNA定性
検査などの検査法がある。

HCV感染判定は急性肝炎、慢性肝炎
、肝硬変、肝癌の病因としての結果
に関わる重要な診断要素。
検体検査/
免疫血清検査/病名(疾患)
基準値 概要 検査の目的

 *オルニチン回路;肝組織における尿素の生成が、オルニチンにより促進されるため、この名が付いている。尿素サイク
 ルともいう。
 *BUN尿素窒素は血中に存在する尿素中の窒素量を測定しているので一般的にBUNと呼ばれているが実際は血清中の尿素窒
 素(Serum UN)が測定されている。
 *Cr;クレアチニン
 *プリン体;細胞の中にある核酸の構成成分の一つで、プリン環という共通の化学的構造を有している事から命名されて
 いる。核酸は遺伝に関わる物質で、あらゆる生物の細胞に含まれており、又、殆ど全ての食品やアルコール飲料、特にビ
 ールに多く含まれる。カロリー制限をし、肥満、食べすぎを避け、飲酒を控え、プリン体を多く含む食品(肉類、魚介類
 、レバー、ベーコン、卵、貝類、ビールなど)の摂取を注意する。アルカリ性食品を多く含む食品、水分を多く摂取し尿
 酸の排泄を促がす。薬剤で尿酸を増加させるものがある。
 *γ-GTP(γ-Glutamyl Trans peptidase )は蛋白質分解酵素
 *AST(Asparate Amino Transferase/アスパラギン酸オキソグルタル酸アミノトランスフェラーゼ);別名GOT
 ASTは肝臓と骨格筋など様々な臓器の細胞内に存在する酵素である。通常、その血中濃度は低いレベルで安定しているが、
 何らかの原因で細胞が破壊される事により、細胞内のASTが血中に逸脱し、血中濃度が増加する事になる。ただし、ASTは
 肝細胞以外の細胞にも含まれるため、他の疾患(心筋梗塞など)でも数値は増加する。
 *GOT(Gutamic-Oxaloacetic Transaminase/グルタミン酸・オキザロ酢酸アミノ基転換酵素)
 *ALT(Alanine Amino Transferase/アラニンオキソグルタル酸アミノトランスファラーゼ);別名GPT
 ALTは主に肝細胞の細胞質中に存在し、アミノ酸の合成を促進する酵素で、普段はその血中濃度も安定して低いレベルであ
 るが、何らかの原因で肝細胞が破壊される事により肝細胞中のALTが血中に逸脱する事により血中濃度は上昇する。
 *GPT(Gutamic-Pruvate Transaminase/グルタミン酸・ピルビン酸アミノ基転換酵素)
 *HDL(high density lipoprotein)比重の高いリポ蛋白中に含まれるコレステロール。末梢組織から肝臓へのコレステロー
 ルの逆転送の役割を果たす重要な物質。
 *LDL(low density lipoprotein)比重の低いリポ蛋白中に含まれるコレステロール。ヒトのリポ蛋白中では最もコレステロ
 ール含量が多い。肝臓から末梢組織へコレステロールを運ぶ
 *TG(tri glyceride)中性脂肪・HDL構成原料/HDLは主に肝臓、腸管で合成され蛋白質50%、脂質50%から構成され脂
 質はさらに、リン脂質23%、コレステロール20%、トリグリセライド5%からなる。
 *GLU(Glucose)/ブドウ糖の意
 *BS(Blood sugar)/血糖の意
 *IRI(Immunoreactice Insulin)
 *PIVKA-U(protein induced by vitamin K absence or antagonist-U/ビタミンK欠乏性蛋白-U

















                     -検査値・疾患(病名)・基準値一般/基礎知識・疾患(病名)-

検体検査/
一般検査
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
一般検査/尿量
基準値
採尿はきちんと全部とる必要がある。一部でも放尿しない。

蓄尿には夏場腐敗も注意し冷暗所に保存する尿失禁や自排尿が不可能ならカテーテル採尿となる。
欠乏/急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、心不全、急性熱症、高度な発汗、下痢、嘔吐

無尿/慢性腎炎、ネフローゼ症候群等の重症時、急性腎不全
尿閉/結石・腫瘍等による腎・尿路の閉塞
一般検査/尿PH
基準値
尿はPH5〜6のことが多く尿PHのみで異常が分かる事は少ないので他の検査と組み合わせる。

尿は食事の影響を受け易いので反復検査をする。
アルカリ性/腎不全、腎盂腎炎、アジソン病、心不全、利尿剤、胃液(酸)の喪失など
尿白濁/リン酸塩による膿尿の場合
もある。

酸性/肺気腫、気管支喘息、呼吸筋麻痺、糖尿性アシドーシス、重症下痢、激動後乳酸アシドーシス、痛風など 尿白濁/白血球尿(膿尿)、細菌尿
一般検査/尿比重
基準値
1.010以下を低比重尿1.030以上を高比重尿という。尿蛋白や尿糖が出ている場合、影響を受けるので補正する。

健常なら尿量と比重は反比例する。尿比重と並行して尿浸透圧値も増減する。
高比重尿/糖尿病、脱水(重症な下痢、嘔吐、発汗)、造影剤、デキストラン、抗生物質

低比重尿/尿崩症、慢性腎不全、間質性腎炎、心因性多飲症、多量の飲水及び輸液
蓄尿は出来る限り冷暗所に置いて保存する。
一般検査/尿蛋白
基準値
女性の場合、尿道口の清拭、中間尿を採取できていないと.由来の分泌液混入の可能性がある。

健常でも100mg/dl・day以下の尿蛋白は排泄される。
腎前性蛋白尿/心不全、腎静脈血栓症、悪性高血圧、多発性骨腫瘍、ヘモグロビン尿

腎後性蛋白尿/尿路感染症、尿路結石、尿路の腫瘍
腎性蛋白尿/糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、重金属中毒、紫斑病性腎炎、糖尿病、SLE腎症、腎不全、腎盂腎炎、腎嚢胞、Alport症候群
一般検査/尿糖
基準値
アスコルビン酸を多量に含む飲料、還元性薬剤の服用、は還元作用で、陰性傾向を示す。

糖尿病患者が必ず尿糖陽性とは限らないので要注意。
一過性/精神的ストレス、頭部れる

持続性/糖尿病(インシュリン依存型、非依存型)、腎性糖尿(血糖値に異常が無く尿細管再吸収障害による)、二次的糖尿(他疾患に随伴して生じるもの、甲状腺機能亢進症、cushing症候群、下垂体機能亢進症など)
検体検査/
一般検査
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
一般検査/尿潜血
基準値
採尿時の尿外観と排尿時痛、残尿感の確認、女性は生理日、その前後は尿潜血陽性となる。

又、尿道口の清拭、中間尿採尿が出来ていないと.系の汚染で陽性傾向、患者の家族歴、服用薬剤なども診断上不可欠。
腎前性疾患/血友病、血小板機能異常症、抗凝固剤投与、白血病

腎性疾患/糸球体腎炎(急性腎炎、慢性腎炎)IgA腎症、ループス腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎、腎動脈性血栓症、腎結石、Nut cracker現象
腎後性疾患/尿路感染症(膀胱炎など)、前立腺炎、尿路結石(膀胱結石、尿管結石など)、悪性腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、腎癌など)、外傷・手術、子宮癌・子宮内膜症などで尿中混入
一般検査/尿ウロビリノゲン
基準値
 
ウロビリノゲンは肝・胆道系から排泄されるビリルビンが腸管で腸内細菌により還元されて生成される。

大部分は糞便に排泄され、一部腸内に再吸収され肝に循環し、一部は肝を通過し、大循環、腎を経て尿中排泄
尿ウロビリノゲン+/溶血性貧血 (尿ビリルビン−/溶血性)
尿ウロビリノゲン+/肝炎、肝硬変、薬剤性肝障害、体質性黄疸 (尿ビリルビン+/肝実質性、閉塞性
尿ウロビリノゲン−/閉塞性黄
疸(肝内外胆汁うっ滞)
一般検査/尿ビリルビン
基準値
健常人は陰性、尿ビリルビン0.05r/dl未満。血中濃度が腎での排泄閾値(2.4r/dl)を超えると尿中に排泄される。陽性で肝・胆道系疾患が疑われる
(尿ウロビリノゲン+/溶血性、肝実質細胞性) 閉塞性黄疸(先天性胆道閉塞症、特発性総胆管拡張症、胆石症、胆管炎、胆嚢炎、膵頭部癌、ウィルス性肝炎)、肝実質性黄疸(ウィルス性肝炎、薬物性肝障害)、体質性黄疸(Dubin-Johnson症候群、Rotor型ビリルビン血症)
(尿ウロビリノゲン+/溶血性、肝実質細胞性)
(尿ウロビリノゲン−/閉塞性)
一般検査/尿ケトン体
基準値
糖質不足などで糖代謝の障害が起こると、糖の代替エネルギー源として脂肪酸が利用されるが、その際アセチルコリンAが生成され、更に肝臓でアセチルコリンAからケトン体が造られるため、ケトン体が尿中に排泄される。
強陽性/糖尿病ケトーシス(インスリン依存型)

陽性/糖尿病ケトーシス(インスリン依存型)の疑い*、小児の強度の嘔吐、下痢による脱水、長期飢餓・絶食、妊娠中毒、脂肪の過剰摂取など
*尿糖が強陽性であれば可能性大。血糖値も高く、血液ガス分析でPH、HCO3も低くなる。意識障害、昏睡、脱水、血圧低下も確認され危険な状態が考えられ、患者の呼気にアセトン臭も確認される。
一般検査/尿沈渣
基準値
尿路感染症が疑われる場合の採尿は尿道口清拭と中間尿採尿厳守、女性の場合は膣、.部の分泌液が混入すると誤診する。

採尿後、長時間放置は赤血球、白血球崩壊があ
る。
赤血球(5〜8μm、腎炎 IgA腎症、結石、腫瘍など血尿として多量出現、腎糸球体体疾患では赤血球の形が瘤状変形)、
白血球(10μm程度 膿尿、尿路感染症の可能性)、
扁平上皮(20〜100μm)、
移行上皮(20〜100μm尿路異常、特異性はほぼ無い)、
尿細管上皮(15〜40μm疾患特異性は無いが、腎実質に異常があれば多量出現)、
卵円形脂肪体(20〜70μmネフローゼ症候群、糖尿病性腎症などの尿蛋白が強陽性時にみられる)
硝子円柱(腎疾患、糖尿病性腎症、高血圧症などで多量にみられる)、
細胞質封入体細胞(15〜40μm非特異的、尿路感染症では膿尿に伴いみられる。インフルエンザなどのウィルス疾患でもみられる。)、

上皮円柱/ネフロン間質性異常
顆粒円柱/腎障害、大量出現なら急性・慢性の腎障害、慢性腎不全
ロウ様円柱/腎障害
脂肪円柱/低蛋白血症、ネフローゼ症候群
赤血球円柱/糸球体腎炎、IgA腎症、膜性腎症、急速進行性腎炎
白血球円柱/腎盂腎炎、糸球体腎炎、糸球体及び、間質における炎症、感染症
検体検査/
一般検査
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
一般検査/便性状
基準値
新鮮便でなければならな
い。
形状/
軟便〜水様便(下痢便)/腸管
水分吸収不良、蠕動運動亢進
白色下痢便(乳児)/ロタウィ
ルス感染症
兎糞状便(低水分、小塊状硬
便)
/宿便や痙攣性便秘
太く、時に硬い便/弛緩性便秘
鉛筆様便/直腸・.付近に痙
攣や狭窄がある。
粘液便/潰瘍性大腸炎、過敏性
大腸炎
粘血便/赤痢、腸炎ビブリオ感
染、潰瘍性大腸炎、クローン
色調/
赤色便(潜血便)/下部消化管出血(大腸炎、痔疾、赤痢)
黒色便(タール便)/上部消化管出血(胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道静脈瘤破裂)
黒色便(斑点状)/鉄剤服用、炭末服用
黄〜黄緑色便/高度の下痢便、下剤服用
緑色便/強い酸性便(小児)、抗生剤服用
灰白色便/閉塞性黄疸、肝炎極期、慢性膵炎、バリウム検査後
付着/
血液/直腸、.などからの出血(痔疾、大腸ポリープ、大腸癌、腸重積症)
粘液(光沢ある透明粘稠な綿状片)/腸管の炎症、腫瘍
膿(殆ど粘液血液と混在)/大腸の潰瘍性疾患、細菌性赤痢
脂肪(石鹸カス状、灰白色軟膏状)/脂肪の消化吸収障害(慢性膵炎、胆道閉塞)
固形物/胆石、膵石、腸石、糞石、食物残渣(消化不良)
臭気/
腐敗臭/(膵疾患、慢性腸炎、直腸癌)、
酸臭/(脂肪便、糖質の異常発酵)

PH/
強酸性(異常発酵)
強アルカリ性(高度腐敗)
一般検査/便潜血反応
基準値
採便はトイレ洗浄剤に便が触れると抗原性が失われるので注意する。大腸癌は便表面に血液が付着
するので数箇所から万遍なく採取する。出来るだけ新鮮便が望ましい。
腫瘍/大腸癌、大腸腺腫、胃癌

潰瘍/胃潰瘍

炎症/大腸の炎症性疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、胃炎、食道炎
 

検体検査/
血液検査
/
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
血液検査/白血球数(WBC)
基準値




迅速な指標ならCRP,シアル酸の測定が良いが、発熱など感染症状がある場合、血液疾患が疑われる場合には白血球分類を
行う。

(下に続く)
放射線治療・再生不良性貧血
・悪性リンパ腫など

減少
/3000〜1500
急激な低下や好中球の異常な減少に注意

減少(緊急異常値)/1500〜1000迅速な臨床対応を要する

減少(易感染状態)/1000以下感染の危険性高度
各種感染症・白血病・アレルギー
性疾患・(激しい運動、ストレス
、月経、妊娠後期、喫煙)

増加/10000〜15000急激な増加に注意

増加(緊急異常値)/15000以上迅速な臨床対応が必要
白血球数が正常、軽度でもいずれかの細胞分画が増加、減少が有り得、異常細胞が出現している場合もある。

白血球数低下は好中球減少では主として細菌や真菌に対する感染防御力が低下し、リンパ球減少ではウィルス、原虫、真菌、抗酸菌に対する感染防御力が低下する。

好中球数がゼロに近い状態は無顆粒球症といい、高熱を示し緊急対応が必要(薬剤服用によるなら、原因薬剤は即刻中止)
血液検査/赤血球数(RBC)
基準値
緊急対応を伴う血液疾患は貧血、白血球数異常、血小板減少を伴う事が多い。

好中球減少による発熱、血小板現用による出血斑の有無を確認する。

(下に続く)
増加/絶対的多血症/
骨髄増殖性疾患(真性多血症)続発性多血症(低酸素{心臓肺疾患、異常ヘモグロビン}エリスロポイエチン分泌増加、アンドロゲン分泌増加)

増加/相対的多血症、ストレス多血症、脱水

減少/破壊亢進/
血管外溶血性貧血(赤血球抗体、感染症、薬物)
減少/破壊亢進/
血管内溶血性貧血(遺伝性/解糖系異常、グロビン生成異常、赤血球膜の異常 後天性/細小血管症溶血性貧血、発作性夜間血色素尿症、鉛中毒)

減少/成熟赤血球の産生不良必須物質の欠乏(鉄、葉酸、ビタミンB12)赤芽球の異常(再生不良性貧血、骨髄異形成性症候群、赤芽球ロウ、鉄芽球性貧血)骨髄浸潤(白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、癌、骨髄線維症)内分泌異常(粘液水腫、アジソン病、下垂体機能低下症)慢性疾患(癌、感染症、膠原病)慢性腎疾患、肝硬変その他(薬剤、放射線照射)
鉄欠乏性貧血の初期はヘモグロビン濃度が低下して
も赤血球数が正常範囲内にあるため赤血球数の変動
のみで貧血の有無の判断は出来ない。一方、真性多
血症では慢性出血による鉄欠乏を合併し易く、赤血
球が小球性・低色素性となるため、赤血球数の著し
い増加に比較し、ヘモグロビン濃度やヘマトクリッ
ト値の変化は経度。網赤血球は骨髄から出てきたば
かりの若い赤血球で、その数を測定すればこつずい
の赤血球造血の状況が分かる。
血液検査/(HT)ヘマトクリット値
基準値
緩慢な貧血(急激でない)は生体の代償機構が働くために症状が出現し難い。逆に急性出血の直後は循環赤血球量の著しい低下があるがヘマトクリット値は正常を示し、血漿補充のため血管外液が2〜3日間血管内に流入した後にヘマトクリット値の低下が確認される。日差変動は5%以内、喫煙者、高地在住者では高値を示す傾向がある。 激しい運動の後は発汗によって血液が濃縮されヘマトクリット値も増加、長距離の場合は血管内溶血で減少する事もある。

著しい高血糖患者(600r/dl以上)の赤血球数は等張の溶液中で膨張しMCVとヘマトクリット値が実際値より高い。溶血性貧血の原因の一つ、

寒冷凝集素症では自動血球計数機での測定で大きな凝集塊は赤血球として算定されずヘマトクリット値は実際値より低い。冷蔵庫で24H保存可能
検体検査/
血液検査
/
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
血液検査/(Hb)ヘモグロビン量
基準値
ヘモグロビン7g/dl以下で通常貧血症状が出現するが、慢性貧血では通常7g/dl以上では輸血の適
応はない。

2単位の輸血で通常ヘモグロビンの上昇量は1.5g/dlである。
WHO貧血基準/(参考)
13.0g/dl(男)
12.0g/dl(女)

緊急異常値/
低値5.0g/dl(小児7g/dl)
高値18g/dl以上21g/dl(幼
児)
急性出血反応/(体重70kg全赤血球
量5000mlのケース)

(%)
出血量(ml) 臨床所見
10 500 なし
20 1000 労作時頻脈、軽度起立性低血圧
30 1500 臥位で頸静脈虚脱、労作性頻脈、起立性低血圧
40 2000 安静時の中心静脈圧・心拍出量・血圧共に低下、空気飢餓感、微弱な速脈、しっとりした冷たい皮膚
50 2500 重篤ショック、死亡
A;全血液量出血比率
血液検査/血小板数(PLT)
基準値
乳幼児は成人に対して高値傾向にある。女性は月経時若干増加する。

血小板測定用検体は凝固、凝集を起こしてはならない。

血小板の異常が明らかならば他の出血傾向の検査を進めることになる。

増加/(骨髄増殖性疾患)
慢性骨髄性白血病、本態性血小板血症、真性多血症、原発性骨髄線維症

増加/(反応性増加)
出血、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、摘脾後、慢性炎症、感染症、悪性腫瘍、薬剤起因性、激しい運動
減少/(産生の低下)
再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血、急性白血病、骨髄低形成症候群、癌の骨髄浸潤、薬剤や放射線による骨髄抑制、ウィルス感染症

減少/(破壊・消費亢進)
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、リンパ腫、全身性エリテマトーデス(SLE)、薬剤起因性

減少/(分布の異常) 脾腫
血液検査/(ESR)赤血球沈降速度
基準値
感染症や心筋梗塞などを発症後1日以内の初期には赤沈はまだ亢進しない。

悪性疾患や重症感染症において貧血が進行すると赤沈は更に促進し、時にDICを合併するとフィブリノゲンが減少して赤沈は遅延する。

生理的変動は少ない。採血は早朝空腹時に行うのが原則。
促進/各種感染症、心筋梗塞、ネフローゼ症候群、肝硬変、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、慢性関節リウマチやSLEなどの膠原病


遅延/赤血球増多症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、無フィブリノゲン症
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(Na)血清ナトリウム
基準値
早期発見のポイント/
低Na
/(全身の倦怠感、悪心、乏尿、循環不全、痙攣、精神障害、など)

高Na/(呼吸困難、息切れ、興奮、不穏、高血圧)

水分、食事管理/(水分摂取量と排泄量を管理する。塩分摂取量を守る。調理献立は工夫する。輸液管理厳守
高Na/(水分欠乏による)
脱水(発汗、発熱)。水分摂取不足、尿崩症、浸透圧利尿、高血糖

高Na/(Na過剰によるもの)Na摂取過剰、クッシング症候群、原発性アルドステロン症
低Na/(Na欠乏によるもの)
嘔吐、下痢、ネフローゼ症候群、アジソン病

低Na/(水分過剰によるもの)
多飲、SIADH

低Na/(疾患によるもの)
腎不全、心不全、悪性腫瘍、肝硬変
生化学検査/(K)血清カリウム
基準値
乏尿など腎不全や新生児やK蓄積傾向がある時は果汁などK含有量の多い食品の摂取、輸液やK輸液も注意しなければならない。

血清Naは日内変動があり、食事、運動で変化する。検査は早朝空腹時に実施する。全血放置は高値となる。新生児は若干高値となる。
増加/高K血症/細胞内からの移動代謝性アシドーシス、

家族性高K血症、周期性四肢麻痺、β阻害剤、Succinylcholine、ジギタリス過剰投与、K保持剤、Angiotensin ConcertingEnzyme阻害薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ヘパリン

増加/高K血症/腎からの排泄障害
急性腎不全乏尿期、慢性腎不全、アジソン病、低アルドステロン症、抗アルドステロン剤投与、トリアメトロン、アミロライド投与
減少/低K血症/細胞内への移動代謝性アルカローシス、

周期性四肢麻痺、インスリン投与、高濃度輸液

減少/低K血症/
消化管からの喪失嘔吐、下痢、吸収不良症候群

減少/低K血症/腎からの喪失
浸透圧利尿、尿細管性アシドーシス、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、悪性高血圧、ステロイドホルモン長期投与、ペニシリン、サイアザイド系利尿剤、マンニトール、シスプラチン投与

生化学検査/(Cl)血清クロール
基準値
乳児は高値傾向を示し、女性は男性より高値傾向を示す。食事は胃液分泌を亢進し血清クロールを下げ、日内変動があるため早朝空腹時に検査する
増加/高Cl血症/吸収性アシドーシス
過換気症候群、肺気腫

増加/高Cl血症/代償性アシドーシス
尿細管性アシドーシス、ネフローゼ
減少/低Cl血症/吸収性アシドーシス
肺気腫、肺炎

減少/低Cl血症/代償性アシドーシス
頻回の嘔吐、アジソン病、原発性アルドステロン症
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(Ca)血清カルシウム
基準値
採血は駆血帯を緩めてから行わないと血漿蛋白濃度が上昇し、Ca濃度も同時上昇してしまう。臥位より立位の方が高値なる。 症状/増加/高Ca血症
*神経・筋症状/筋力低下、筋肉痛、腱反射減弱
*精神・神経症状/易疲労性、食欲不振、情緒不安定、傾眠、昏睡
*消化器症状/食欲不振、悪心、嘔吐、便秘、腹痛
*腎臓・尿路症状/尿濃縮力低下、多尿、急性腎不全、慢性腎不全
*循環器症状/心電図上QT短縮、高血圧、不整脈
*異所性石灰化/結膜・角膜の石灰化、肺の石灰化

症状/減少/低Ca血症
*神経・筋症状/痺れ感、デタニー発作、痙攣、筋力低下
*精神・神経症状/不眠、抑鬱、性格変化、不随意運動、知覚障害
*循環器症状/心電図上QT延長

疾患/増加/高Ca血症
*原発性副甲状腺機能亢進症
*悪性腫瘍に伴う高Ca血症/@PTH関連蛋白産生腫瘍A腫瘍の広範な骨吸収性転移、多発性骨腫瘍の広範な骨浸潤
*ビタミンD作用の過剰/@ビタミンD中毒、A肉芽腫性疾患;サルコイドーシス、結核
*他の内分泌性疾患に伴うもの/甲状腺機能亢進症、アジソン病
*家族性低Ca尿性高Ca血症
*その他/@薬物性;サイアザイド系利尿剤、ビタミンA中毒症などA不動化

疾患/減少/低Ca血症
*低蛋白血症/見かけ上の低値で補正Caは正常
*副甲状腺機能低下症/@副甲状腺ホルモンの欠乏又は分泌不全症、特発性甲状腺機能低下症、続発性副甲状腺機能低下症、低Mg血症
A副甲状腺ホルモンの作用不全、偽性副甲状腺機能低下症
*慢性腎不全
*ビタミンD欠乏又は作用不全
*腎からのCa喪失
*骨へのCa蓄積亢進
生化学検査/(Mg)血清マグネシウム
基準値
低Mg血症、Mg欠乏症を確実に診断するためには尿中、赤血球・リンパ球・単核球、筋肉中の濃度測定が必要。 症状/増加/高Mg血症
*循環器症状/徐脈、低血圧、心室伝導障害、QRS延長、心停止
*神経症状/筋力低下、腱反射減弱・消失、呼吸筋麻痺
*精神症状/傾眠、昏睡、鬱状態
*消化器症状/食欲不振、悪心、嘔吐

症状/減少/低Mg血症
*循環器症状/鬱血、頻脈、期外収縮、PR及びQT延長、T波の異常
*神経症状/筋力低下、テタニー、震顫、痙攣、Chvostek徴候、Trousseau徴候
*精神症状/抑鬱、無欲、記名力低下、譫妄、幻覚
*その他/皮膚病変、発育不良、全身痛
疾患/高Mg血症
*腎不全
*Mg含有薬の投与(制酸剤、下剤、子癇治療)
*その他(アジソン病、甲状腺機能低下症)

疾患/低Mg血症
*消化器疾患(吸収不全症候群、腸管切除、慢性下痢、消化液の持続吸引、膵炎)
*内分泌疾患(原発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、原発性アルドステロン症)
*腎疾患(腎炎・腎盂腎炎・腎硬化症、尿細管性アシドーシス)
*その他(アルコール中毒、薬剤{フロセミド、サイアザイド、ゲンタマイシン、シンラスシン}、摂取不足)
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(Fe)血清鉄
基準値
血清鉄は男女差がある。日内変動があり、朝高く夜間に最も低値をとるので採血は早朝になる。

食事の影響は無いとされるが鉄剤服用患者はお茶の摂取は控える必要がある。

服薬も採血24時間前から中止する。
高値/鉄芽球性貧血、ヘモクロマトーシス、再生不良性貧血、急性肝炎初期

低値/鉄欠乏性貧血、真性多血症、慢性感染症、悪性腫瘍、慢性出血、夜間発作性血色素尿症(PNH)の一部
生化学検査/(TP)血清総蛋白
基準値
血清蛋白の生体内における機能は大別すると浸透圧の維持、巣中の物質と結合し、必要な部位までの搬送、栄養素、補体、抗体として液性免疫の役割を果たす。

血清総蛋白以外、血漿タンパクとして測定する時には多くの凝固因子も測定する。
増加/血清濃縮/
*免疫グロブリンの増加
*多クローン性増加/自己免疫疾患、肝硬変、慢性肝炎、慢性炎症性疾患
*単クローンせい増加/多発性骨腫瘍、原発性マクログロブリン血症
低下/
*栄養不足状態(摂取不足)/飢餓状態、悪液質、吸収不良症候群
*蛋白合成障害/肝炎(急性、慢性)、肝硬変
*蛋白漏出/ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、広範囲火傷、滲出性皮膚疾患
*異化亢進/急性感染症、慢性消耗性疾患
*体内分布の異常/浮腫
*血清希釈/不適切な輸液
*免疫グロブリン低下/原発性免疫不全症
生化学検査/(BUN.UN)血清尿素窒素
基準値
慢性腎疾患でBUNは血清クレアチニンよりも尿毒症の症状に相関する傾向がある。

腸管内出血(消化管出血)の証になる。

また蛋白異化亢進(火傷、癌など)に対する栄養的な補助が必要な患者の評価になる。
100以上/腎不全(尿毒症)
50〜100/腎不全
20〜50/
腎前性(脱水症、重症心不全、消化管出血、火傷、アシドーシス)
腎性(腎炎、ネフローゼ症候群、腎結石、腎毒性薬物)

腎後性(尿管閉塞、膀胱腫瘍)

8以下/
妊娠、低蛋白食、飢餓、肝不全(肝硬変末期)、劇症肝炎、尿崩症、マンニトール利尿、利尿剤投与
腎機能指数 BUN/Cr(st 10) 大
栄養摂取不良、低蛋白食摂取、多尿、肝硬変末期(肝不全)、血液透析時、筋破壊

腎機能指数 BUN/Cr(st 10) 小
高蛋白食、アミノ酸輸液、消化管出血、脱水症、尿路閉塞、腎前性腎不全、蛋白異化亢進(外科的侵襲、火傷、重症感染症、癌腫、発熱、甲状腺機能亢進症、副腎皮質ステロイド投与、抗生剤投与)
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(Cr)血清クレアチニン
基準値
血清クレアチニンの増加の原因としては末端肥大症や、蛋白同化ホルモン投与などによる筋肉量の増加もあるが、大部分はクレアチニンの尿中への排泄減少(糸球体濾過量の減少)によるもので、腎炎、腎不全が考えられる。

一方血清クレアチニン低下の原因は、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、多発性筋炎などの筋疾患や長期病臥による筋肉量の減少が上げられる。妊娠や尿崩症による尿中へのクレアチニン排泄増加が原因。
高値/
尿中排泄量減少(糸球体濾過量{GFR}低下)/
子宮体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧症、腎不全、(急性、慢性、)鬱血性心不全、肝硬変、ショック
筋細胞増大/
末端肥大症、巨人症、蛋白同化ホルモン剤投与
血液濃縮/
脱水症、火傷
低値/
筋肉量減少(筋萎縮)/
筋疾患(筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、多発性筋炎)、長期臥床(高齢者、特に女性)
尿中排泄量増加/
妊娠、尿崩症
生化学検査/(UA)尿酸
基準値

偽性痛風と言う疾患と痛風がある。混同しない様にする。

尿酸値を下げるために減量し、飲酒量を
減らして定期的な検査をする。プリン体を多く含む食品にも注意する。
一次性(原発性)
*産生過剰型(HGPRT欠損症、PRPP合成酵素亢進症など)
*排泄低下型(家族性若年性排泄低下型痛風など)
*混同型
二次性(続発性)
*産生過剰型(Lesch Nyhan症候群、骨髄増殖性疾患、悪性リンパ腫、多血症、乾癬、溶血性貧血)
*排泄低下型(腎不全、薬剤{利尿剤、ピラジナミド、エタンブトールなど}、脱水症、飢餓、Bartter症候群)
*混合型(G-6-P欠損症、アルコール摂取、過激な運動)
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(Bil)血清ビリルビン
基準値
ビリルビンは光で酸化しビリベルジンになるので検体の保存は冷暗所。新生児は生後一週間で新生児黄疸を呈し、約10mg/dlとなる。

その後低下し、生後3〜5ヶ月で最低となりそれ以降は徐々に増加し15歳くらいで成人値に達する。

運動や食事で数値は変動する。高直接ビリルビン血症において尿中にビリルビンが出現する。黄疸尿は黄褐色を呈し、泡や沈渣まで黄染。
直接ビリルビン/0.0〜0.3mg/dl

*肝障害によるもの/急性肝炎、肝硬変症、劇症肝炎、肝癌

*肝内胆汁鬱滞/細胆汁性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、重症感染症による黄疸

*肝外胆汁鬱滞/閉塞性黄疸(胆
石症、悪性腫瘍による胆道閉塞、その他の胆道閉塞など)

*体質性/デュビン・ジョンソン症候群、ローター症候群
間接ビリルビン/0.2〜0.7mg/dl

*生成増加によるもの/先天性溶血性疾患、後天性溶血性疾患、悪性腫瘍

*無効造血(シャント型高ビリルビン血症ともいう)/悪性貧血、サラセミア、鉄欠乏性貧血

*体質性/ジルベール病、グリグラ・ナジャ病
生化学検査/(NH3)血中アンモニア
基準値
アンモニアは肝臓や腎臓でグルタミンが酵素の働きで脱アミノ化される時、食物中の蛋白などの窒素化合物が腸内細菌により分解される時、腸内細菌による尿素の分解時に生じる。

アンモニアの代謝は肝臓の尿素サイクルで表素に合成され、筋肉、脳、肝臓でのαケトグルタール酸、グルタミン酸への取り込み、腎臓でのアンモニア塩として尿中への排泄により行われる。
高値/後天性疾患

*重症肝機能障害/劇症肝炎、肝硬変、進行癌
*門脈-体循環シャント/肝硬変、特発性門脈圧亢進症、原発性Budd-Chiari症候群、胆汁性肝硬変症、
*尿毒症、ショック、Reye症候群
高値/先天性疾患

*尿素サイクル酵素欠損症
*アミノ酸代謝異常症
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/γ-GTP
基準値
γ-GTPは肝で合成されて一部が胆道から胆汁中に排泄されるため、胆汁排泄が障害されるとγ-GTPが肝内に逆流し血中に移行するために血中濃度が上昇する。 高値/他の肝機能検査値が正常
*アルコール性肝障害

高値/他の肝機能検査値も異常
*肝炎、肝硬変、胆石、胆管癌
、肝癌
他の肝機能検査/ALT(GPT)
、AST(GOT)
生化学検査/リパーゼ
基準値
リパーゼは脂肪を腸管吸収しやすい脂肪酸に変換する酵素で膵液中に存在する。

膵由来であるアミラーゼとの相関があり、急性膵炎時には血液中のアミラーゼが早期に高値を示すが、リパーゼは発病後3〜5日で上昇し数日間高値を持続する。

持続日数もリパーゼの方がアミラーゼより長い。閉塞性黄疸、尿毒症でもリパーゼは増加する。
高値/
*急性膵炎、慢性膵炎、膵癌、膵外傷、膵管閉塞、腎炎、腎不全、肝疾患

低値/
*膵全摘後、膵癌末期、慢性膵炎末期、膵嚢胞性線維症
(急性膵炎や慢性膵炎の際には、腹痛、悪心、嘔吐、発熱、ショック症状などに注意が必要である。

アルコールの摂取の有無と量の把握も必要になる。

多量の摂取は胃酸分泌、膵外分泌を増加させ、ファーター乳頭部に浮腫をきたし、胆汁が膵管へ逆流して膵酵素を活性化させ、膵炎を起こすなどの弊害を生じる。)
生化学検査/AST(GOT) ALT(GPT)
基準値
ウィルス性肝炎では肝炎の活動期にはAST及び
ALTが上昇する。初期は
AST>ALT、極期AST<ALTとなり、治癒に向かうと基準値内に戻る。肝炎が疑われる時は肝炎ウィルスの抗体などの検査で確認する。

(下に続く・・)
AST/ALT<0.87 500IU以上
*ウィルス性肝炎(黄疸期)、
薬剤性肝障害
 
AST/ALT<0.87 100〜500IU
*慢性肝炎活動型

AST/ALT<0.87 100IU以下
*慢性肝炎非活動型、脂肪肝(過栄養性)





注意事項
*採血時溶血があってはならない。(AST.ALT値が高くなる)
*立位採血は安静臥床時より10%高く数値が出る。
*運動で数値上昇のため採血2〜3日前より運動を控える。
AST/ALT>0.87 500IU以上
*劇症肝炎、ウィルス性肝炎(初期)、心筋梗塞(重症)

AST/ALT>0.87 100〜500IU
*アルコール性肝炎、胆汁鬱滞、閉塞性黄疸、心筋梗塞(軽症)、筋ジストロフィ症、溶血性疾患

AST/ALT>0.87 100IU以下
*肝硬変、肝癌、脂肪肝(アルコール性)
AST>ALTの場合は心筋梗塞、アルコール性肝炎などが考えられる。ASTが基準値より高い場合は心筋梗塞、溶血性疾患、筋疾患なども可能性がある。特にCPK上昇を伴うASTの有為の上昇は心筋梗塞があり得、対策が急がれる。

過栄養性脂肪肝ではALTがやや上昇し,ALTがASTより高くなる傾向がある。(この以上を伴わない事もあるので超音波検査が必須)。

ウィルス性肝炎では肝炎活動期にはALTは上昇するが、休止期には基準値内に戻る。肝炎が疑われるなら肝炎ウィルス抗体検査が必要になる。

ALTは特に肝細胞に多いので数値上昇は肝疾患を意味する。ALT.ASTが基準値より高ければ甲状腺機能亢進症、急性肝炎、劇症肝炎が疑われる。
検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(ChE)コリンエステラーゼ
基準値
コリンはリン脂質の構成成分で細胞膜や神経伝達物質の重要な原料である。

体内には数種類のChEが存在する。アセチルコリンを特異的に分解する特異的AChE(真性ACh)及び非特異的ChE(偽性ChE)がある。

その内、偽性ChEは血清、肝、膵などに含まれ、コリンエステルのほか種々のエステルを加水分解する。
高値/
ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、脂肪肝急性肝炎回復期、糖尿病、肥満、高脂血症(脂質異常症)、高リポ蛋白血症遺伝性高コリンエステラーゼ
低値/
肝硬変、慢性肝炎、肝癌、劇症肝炎、肝膿瘍、栄養失調症、重症感染症、遺伝性コリンエステラーゼ異常症、農薬中毒、駆虫剤中毒(有機リン剤)、サリン中毒、抗コリンエステラーゼ剤投与、貧血、妊娠中毒症

生化学検査/(T-cho.Tc)総コレステロール
基準値
コレステロールは生体内の主要な脂質成分で細胞膜、ステロイドの原料など生体の必須物質である。

肝臓で生合成されリポ蛋白(脂質蛋白複合体)に組み込まれる。LDL(低比重リポ蛋白)とHDL(高比重リポ蛋白)があり、コレステロールはLDL中に多く含有され、一部がHDL中に存在する。

(下に続く・・・)
高値/
ネフローゼ症候群、下垂体機能低下症、家族性高コレステロール血症、肝癌、急性アルコール性脂肪肝、冠硬化性疾患、甲状腺機能低下症、糖尿病、肥満症、閉塞性黄疸、末端肥大症
低値/
アジソン病、α-リポ蛋白欠損症、悪液質、肝細胞障害、経静脈高カロリー輸液、甲状腺機能亢進症、消化不良症候群、低β-リポ蛋白症、貧血
 総コレステロールは主にLDLやHDLなどリポ蛋白中に含まれるコレステロールと遊離型コレステロールの総和という事になる。

総コレステロール値は中性脂肪に比べて食事の影響は少ないが早朝空腹時採血が原則で、溶血や高ビリルビン血症で高値になる。

又、エストロゲン製剤やステロイド投与時で高値傾向となる。加齢と共に上昇し、女性は男性よりも高値であり更年期以後、急上昇する。男性の場合は40歳前後から増加する。
生化学検査/(HDL-cho)HDL-コレステロール
基準値
HDL-choは善玉コレステロール、長寿者にはこのHDL-choが多いことが分かっている。

しかし、HDL-choが100mg/dl以上の場合は高HDL血症と呼ぶがこの様な場合は動脈硬化疾患の危険因子になるので注意が必要になる。

然しながら治療の必要性に付いては喫煙、糖尿病、動脈硬化症の家族歴などの他の危険因子があるか否かにより、対応が異なる。
上昇/二次性
閉塞性肺疾患、原発性胆汁性肝硬変、アルコール多飲、運動、糖尿病(インスリン治療)

上昇/一次性
家族性高αリポ蛋白血症(長寿症候群)、CETP欠損症、HTGL活性低下
減少/二次性
アルコール性肝炎、ウィルス性肝炎、肝硬変、虚血性心疾患、脳梗塞、甲状腺機能亢進症、高リポ蛋白血症(T、V、W、X型)、糖尿病、肥満、ネフローゼ症候群、慢性腎不全、透析、慢性多関節炎、骨髄腫、喫煙

減少/一次性
Tangier病(家族性HDL欠損症)、LCAT欠損症、LPL欠損症、アポA-T、アポC-U欠損症、魚眼病(fish-eye disease)、無βリポ蛋白血症(Bassen-Komzweig症候群)

検体検査/  
生化学検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
生化学検査/(LDL-cho)LDL-コレステロール
基準値
最も強力な動脈硬化惹起性のリポ蛋白。末梢組織では細胞上のLDL受容体を介して細胞以内に取り込まれる。

動脈硬化病巣では酸化LDLがスカベンジャーLDL受容体を介して無制限にマクロファージ内に取り込まれる結果、マクロファージが泡沫化し、動脈硬化が進展する。

上昇/
ネフローゼ症候群、家族性高コレステロール血症(Ua型)、家族性混合型高脂血症(Ub型)、糖尿病、肥満、閉塞性黄疸
減少/
家族性低コレステロール血症、肝硬変、甲状腺機能亢進症、先天性無βリポ蛋白血症、慢性肝炎
生化学検査/(TG)中性脂肪
基準値
血中中性脂肪はエネルギーの運搬や貯蔵、臓器や組織の維持に必須の物質で余分なものは肝臓に蓄えられる

。多すぎる事により動脈硬化危険因子になる。
上昇/二次性
クッシング症候群、グリコーゲン蓄積症、ネフローゼ症候群、マクログロブリン血症、下垂体機能低下症、完全飢餓、甲状腺機能低下症、高度貧血、痛風、糖尿病、動脈硬化症、尿毒症、脳血栓症、末端肥大症、薬物(サイアザイド系利尿剤など)

上昇/一次性
家族性高カイロミクロン血症(LPL欠損/異常症、アポC-U欠損症)、家族性高脂血症、肝性リパーゼ欠損症
減少/二次性
ヘパリン、悪液質、吸収不全症、下垂体機能低下症、甲状腺機能亢進症、肝硬変症、重症肝実質障害、急性黄色肝萎縮症、急性中毒性脂肪肝、心不全、慢性副腎不全(アジソン病)

減少/一次性
無βリポ蛋白血症、低βリポ蛋白血症
生化学検査/(GLU.BS)血糖、グルコース
基準値
ストレス、脳下垂体ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの異常分泌で上昇し、グルコースの分解過剰やインスリン分泌過剰で低下する。 高値/126以上
T型糖尿病、U型糖尿病、膵外分泌疾患、内分泌疾患(副腎皮質ホルモン過剰症など)、遺伝的異常

高値/110〜126
OGTT境界型、妊娠糖尿病、ストレス
低値/65以下
インスリノーマ、副腎皮質ホルモン低下症、アルコール、インスリン自己免疫症候群、インスリン注射、血糖降下剤など、薬剤、胃切除(反応性低血糖)、肝不全、腎不全、飢餓
生化学検査/(HbA1c)グリコヘモグロビン
基準値
外国ではHbA1cは一般的に用いられるものではない。

グルコースが結合しているヘモグロビンを総称する場合はグリコヘモグロビン(GHb)が正しい名称で、HbA1cはヘモグロビンのクロマトグラムによる一つの分画名であり、物質名ではない。
(下に続く・・・)
HbA1cに影響する因子

偽高値/
*ヘモグロビンに結合する物質の影響、アセトアルデヒド(アルコールの多飲)、アスピリン(アスピリン大量服用)、シアン酸(腎不全)
*HbFの存在
*異常ヘモグロビン
*高ビリルビン血症
HbA1cに影響する因子

偽低値/
*赤血球寿命の短縮(溶血性貧血、大出血後、妊娠時の貧血)
*異常ヘモグロビン血症
*腎不全(透析)
*採血時の溶血
*肝硬変
*インスリノーマ
日本では標準化作業がHPLC法という測定値を基準とした関係からHbA1cが用いられるようになった。

血糖値は良好でもHbA1cが高値を示す事があるがこれは普段過食していた患者が、検査に備えて食べ控えを行っていることが多い。

空腹時血糖値126mg/dl以上、75gOGTT2時間値200mg/dl以上、随時血糖値200mg/dl以上のいずれかを示すものの場合はHbA1cが6.5%以上であれば糖尿病と診断されるのは妥当と考えられる。

老健法による糖尿病検診ではHbA1cが5.5%未満の場合は異常ない、5.5〜6.1%未満が要指導、6.1%以上が要医療となる。
検体検査/  
免疫血清検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
免疫血清検査/(RF)リウマトイド因子
基準値
リウマトイド因子が高値(100IU/ml以上)であれば関節リウマチの可能性が高いが、RH値は関節リウマチの炎症の程度とは相関しない。RF陽性が関節リウマチを示すばかりとは限らず他疾患でも陽性となる。

判定は総合的に勘案して下される。
陽性/
*慢性関節リウマチ、悪性関節リウマチ
*リウマチ以外の膠原病(全身性エリテマトーデスSLE、強皮症、多発性筋炎、シェーグレン病)
*肝臓障害(慢性肝炎、肝硬変)
*感染症(EBウィルス感染症、細菌性心内膜炎)
*自己免疫症(ITP、AIHA)
    RF陽性頻度(%)
ヒトIgG抗原
RA テスト LPIA
RA 80 90
他膠原病 30〜50 60
慢性肝疾患 35〜55 55
老齢者 10〜30 20
LPIA;
Latex photometric immunoassay
免疫血清検査/
甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
抗サイログロブリン抗体

基準値
TPO抗体と抗サイログロブリン抗体が高値を示すと、橋本病かバセドウ病の可能性はTPO抗体では橋本病の陽性率は100%近く、バセドウ病は90%と高くなっている。

抗サイログロブリン抗体の場合は橋本病の陽性率は45%弱、バセドウ病では40%弱であるが、この2疾患は臨床像、他検査(TSH受容体抗体)から鑑別できる。
抗サイログロブリン抗体陽性
可能性のある疾患/
*高陽性;橋本病、バセドウ病
*低値陽性;原発性粘液水腫、無痛性甲状腺炎、甲状腺悪性リンパ腫など
免疫血清検査
免疫グロブリン
IgG.IgA.IgM.IgD.IgE

基準値
IgG.870〜1700mg/dl
IgA.110〜 410mg/dl
IgM. 35〜 220mg/dl
IgD. 13 mg/dl以下
IgE.27〜135U/ml成人






免疫グロブリン濃度は、年齢による変化があります。IgGは胎盤通過性があり、新生児期に認められるIgGは母体由来のものです。3歳くらいで成人値となり、IgA.IgD.IgEは成人値に達するのは、10歳代前半となります。IgMは誕生時既に、自己産生のものが認められ、1歳児には成人値に達しています。
高値 低値
IgG IgG型多発性骨髄腫
多発性骨髄腫(IgG型)
慢性肝疾患

感染症

自己免疫疾患

糸球体腎炎
多発性骨髄腫(IgG型以外のもの) 免疫抑制療法時原発性免疫不全症


Bruton型無γグロブリン血症
IgA IgA型多発性骨髄腫
多発性骨髄腫(IgA型)
多発性骨髄腫(IgA型以外のもの)
IgM 原発性マクログロブリン血症
多発性骨髄腫(IgM型)
多発性骨髄腫(IgM型以外のもの)
IgD IgD型多発性骨髄腫 多発性骨髄腫(IgD型以外のもの)
IgE アトピー性疾患
IgE型多発性骨髄腫
多発性骨髄腫(IgE型以外のもの)
免疫血清検査/(CRP)C反応性蛋白
基準値
抗生物質療法を必要とする細菌性感染症では治療の指標としてCRPは有用であり、CRPの上昇タイミングは白血球増加より遅く血沈亢進より速い。

CRP単独では病態の診断は出来ず、他検査と合わせ総合的に判断される。
高度増加/
*細菌感染症、真菌感染症、心筋梗塞、関節リウマチ軽度増加/
*尿路感染症や脳梗塞、ウィルス性感染症、悪性腫瘍
その他/
*外傷、手術後、火傷
検体検査/  
免疫血清検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
免疫血清検査/(TSH)甲状腺刺激ホルモン
基準値
TSHの高感度法の一般化により正常人(0.3〜4.0μU/ml)と未治療バセドウ病(0.01μU/ml以下)の判別が可能になっている。

TSHが低値の場合だけで甲状腺機能亢進症と診断する事は出来ない。

TSHの測定精度、薬物の影響による低値の可能性も有り、診断は甲状腺ホルモン(FT3.FT4)も同時に測定して判定されるべき。
高値/
慢性甲状腺炎などによる原発性甲状腺機能低下症、TSH産生腫瘍

低値/
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎
免疫血清検査/(FT4)遊離サイロキシン
基準値
高値となる疾患にはバセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病などがあるがその90%がバセドウ病である。

甲状腺におけるホルモ
ンの産生分泌が共に亢進するとFT4も高くなる。

無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、では甲状腺濾胞の破壊のため血中にT4が漏出するためにFT4が増加する。

血中FT4が増加するとTSH分泌は低下し血中TSH濃度は測定感度以下に低下する。
高値/
バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病

低値/
原発性甲状腺機能低下症(橋本病、甲状腺摘出後、アイソトープ治療後など)、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺低下症
FT4が低値となるのは甲状腺機能低下症で、原発性甲状腺機能低下症、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺機能低下症に分かれ、実際には原発性甲状腺機能低下症が大部分である。

中でも多いのが慢性甲状腺炎(橋本病)で、血中のFT4が低下するとTShが上昇する。

まれに下垂体性甲状腺機能低下症や視床下部性甲状腺機能低下症が原因としてあるがこれはTSHは低下もしくは正常値である。
免疫血清検査/(FT3)遊離トリヨードサイロニン
基準値
バセドウは甲状腺のホルモン産生、分泌が共に亢進している状態で当然FT3も高値になる。一方、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎は甲状腺濾胞の破壊によりホルモンが血中に漏出するためにFT3が高値になる。 高値/
バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病

低値/
原発性甲状腺機能低下症(橋本病、甲状腺摘出後、アイソトープ治療後など)、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺低下症、低T3症候群
検体検査/  
免疫血清検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc
免疫血清検査/(IRI)
 インスリン


基準値5〜15μU/ml
T型糖尿病は膵β細胞の破壊によりインスリンが分泌されない。

U型糖尿病はインスリンの分泌は保たれているが充分作用しないもの。

生理的にインスリンの分泌は血糖値即ち食事摂取により左右され夜間〜早朝は低く(基礎分泌)、食事摂取後に増加する(追加分泌)。

点滴を受けている場合点滴中にブドウ糖が含まれていないかの確認が必要になる。患者がインスリン抗体を持っていれば異常高値になる。

遺伝子疾患による影響もある。

高値/
インスリノーマ、副腎皮質機能亢進(クッシング症候群)、肥満、末端肥大症、肝硬変、脂肪肝、インスリン自己免疫症、異常インスリン症、妊娠

低値/
糖尿病、膵疾患(膵炎、膵癌)、副腎機能不全、下垂体機能低下症
免疫血清検査/エストロゲン
基準値
総エストロゲンの基準値は性別、年齢、性周期、妊娠の有無、週数により大きく変動する。

小児期に総エストロゲンが増加するのは思春期早発症であり、ゴナドトロピン分泌過剰による真性思春期早発症と、ホルモン産生腫瘍による偽性思春期早発症がある。

男性では副腎過形成の診断に用いられる。
高値/
真性・偽性思春期早発症、エストロゲン産生腫瘍、排卵誘発剤(卵巣過剰刺激)、多胎妊娠、肝機能障害、副腎過形成

低値/
卵巣機能不全、胎児胎盤機能不全(子宮内胎児発育遅延、子宮内胎児死亡)、妊娠中毒症、糖尿病合併妊娠、周期妊娠、胎盤性サルファターゼ欠損症、胎盤性アロマターゼ欠損症
総エストロゲンに影響を与える薬物として抗甲状腺剤、副腎皮質ステロイド剤、経口避妊薬等がある。

基準値
μg/day(一日尿中)
男性 2〜20
女性 非妊婦 卵胞時 2〜20
排卵時 10〜60
黄体期 8〜50
閉経後 <10
妊婦 32〜36週 >15mg/day
37〜38週 >20mg/day
39〜42週 >25mg/day

免疫血清検査/(AFP)α-フェトプロテイン
基準値
AFPが高値の検査値を示した場合はAFP-L3分画比、PIVKA-Uなどの腫瘍マーカーの測定、画像診断などで総合的裏づけをとる必要がある。20ng/ml以上の高値で肝細胞癌を疑う
高値/1000ng/ml以上
肝細胞癌、肝芽腫、ヨークサック腫瘍、乳児肝炎、先天性胆道閉鎖症、転移性肝癌、劇症肝炎回復期
高値/400〜1000ng/ml
異常妊娠妊婦、肝硬変、胃癌、膵臓癌

高値/100〜400ng/ml
急性肝炎、慢性肝炎、正常妊娠妊婦
免疫血清検査/PIVKA-U
基準値
閉塞性黄疸や肝内胆汁鬱滞などで黄疸が長期に続いてビタミンK欠乏をきたした場合やワーファリンなどのビタミンK拮抗薬の投与などで上昇する事がある。

PIVKA-UとAFPは相関するとは限らず相互の検査を確認して補間確認しながら裏づけを取ることになる。
高度上昇/
肝細胞癌

軽度上昇/
肝硬変・慢性肝炎・急性肝炎・
劇症肝炎
肝内胆汁鬱滞・原発性胆汁性肝
硬変、アルコール性肝障害、
閉塞性黄疸、胆管細胞癌・転移
性肝癌、その他の悪性腫瘍、
ビタミンK拮抗薬(ワーファリ
ン)投与時
セフェム系抗生物質投与時、低
栄養状態
小さな肝細胞癌ほどAFP.PIVKA-Uいずれかが陽性になることが多い。

肝臓癌に特異性の高い腫瘍マーカーで他の疾患で数値が上昇する事は少ないが、ビタミンK欠乏時(ワーファリン、抗癲癇剤、抗結核剤などの使用時)にも上昇するため注意を要する
免疫血清検査/(PSA)前立腺特異抗原
基準値
前立腺癌症例におけるPSA値は病勢の推移と併行して変動する。

根治的前立腺除去手術で術後3週間でも基準値以下に下がらなければ遠隔転移も考えられる。

放射線療法では照射終了後に基準値如何までに低下した場合は治療効果があり、予後も良いものと考えられる。

健常者の血清PSA値は人種間格差があり米国人の半分程度である。PSAはセ ス後にさがる。
前立腺癌及び前立腺肥大症におけるPSA陽性率(USA例) ng/ml
<
4.0
4.01〜
10.0
>
10.01
陽性
%
陽性
%
陽性
%
前立腺癌 19 14 67
stageA 37 33 30
stageB 29 21 50
stageC 19 9 72
stageD 12 9 79
前立腺肥
大症
80 18 2
健常男性 99 1 0
*前立腺癌のスクリーニングを目的として設定されたPSA*の基準値は4.0ng/ml以下で、前立腺肥大症と前立腺癌の判別に用いるカットオフ値は10.0ng/ml以下としておりグレーゾーンは4.01〜10.0ng/ml未満をしている。


同様にPSA-ACTの基準値は1.1ng/ml以下、カットオフ値は5.5ng/ml以下である。
免疫血清検査/(HCV)
 C型肝炎ウィルス検査



基準値 陰性
HCV感染は成人してからの感染でもキャリア化(慢性化)する。

C型急性肝炎の30%は治癒するが70%は慢性肝炎に移行する。診断は免疫血清検査(抗体検査)と遺伝子検査(HCV-RNA測定)で行う。

HCV暴露(針刺し事故等)時における感染の危険性は3%という報告がある。



感染により、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌の病因となる。
抗体-抗原            検査
HCV抗体 陽性でHCV-RNA定性検査が陽性の時は現在HCV
感染を示す。HCV-RNA定性検査が陰性の時は既往
を示す。
HCV特異
抗体検査(RlBAlll)
HCV抗体のスクリーニング検査法により特異性が
高いが、HCV感染初期における陽性化が若干遅い
ために判定保留になる場合がある。
HCVコア抗体
HCVのコア蛋白に対する抗体で、HCV抗体の追加
検査やIFN投与時の治療効果の判定に用いる。
HCV-RNA検査と合わせて判定する。
HCVセロタイ
プ(HCV群別
判定)
HCV抗体が陽性の場合、セロタイプ分類を行って
C型慢性肝炎に対するIFNの治療効果を予測する。
1型と2型があるが血中HCV抗体量が少ない場合
は鑑別不可。
HCVコア
抗原
測定値はHCV量を反映するため病態把握、治療
効果判定に有用であり、その測定値が検出感度
以下でも、HCV感染を否定できない。HCVコア
蛋白はHCV-RNAより安定しており保存条件に左右
され難い。
HCV-RNA
定量検査
血中HCV量を反映する信頼性の高い方法、RNAは
分解され易いので検体の扱いは迅速慎重に取り
扱われる。病態の把握や治療効果の判定にHCV
コア抗原同様、有用な方法である。
HCV-RNA
定性検査
ウィルス血症の鑑別治療効果の判定に用いられる。
免疫血清検査/HBV
B型肝炎ウィルス検査


基準値 
陰性or検出感度以下
HBV感染は急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変、肝癌の病因として重要です。


HBVの持続感染(キャリア)状態が生じるのは、乳幼児の感染のみで、多くは母子感染です。ただし、成人で免疫力の衰えた状態ではキャリア化することがあります。


針刺し事故による感染の危険性は3〜50%といわれております。当事者がHBs抗体を保有していない場合には事故後、48時間以内に、HBガンマグロブリン製剤を投与し、感染を防ぎます。その際は、定期的な(6ヶ月間)HBV感染の有無の確認検査、経過観察をします。
抗体-抗原 検査目的
HBs抗原 HBV感染しているかどうかを診断するためのスクリーニング検査として用いる。
HBs抗体 HBs抗原に対する抗体で、HBV感染の既往の有無やHBワクチン接種後の抗体獲得の有無を鑑別するために用いる
HBe抗原
HBe抗体
HBe抗原はHBVの遺伝子産物であり、HBe抗体はそれに対する抗体である。HBe抗原と抗体はHBVの感染力、肝炎の活動性の指標となる。慢性肝炎の場合、HBe抗原陽性の時は活動期を示し、HBe抗体陽性の時は非活動を示す。
HBc抗体 HBc抗体波HBVの芯(コア)に対する抗体であり、感染初期から出現して長時間存在する。急性肝炎では、経過と共に上昇する。HBc抗体の検査ではIgA型及び、IgG型の抗体をまとめて測定しており、HBV感染状態の指標になる。
IgM型HBc抗体 B型急性肝炎、及びB型慢性肝炎又は無症候性キャリアの急性憎悪の診断に用いる。
HBV-DNA定量 病態の把握や治療効果判定等に用いる。HBV-DNAの定量は血中のHBV量を直接反映する
検体検査/  
免疫血清検査/ 
参考知識 疾患(病名)T 疾患(病名)U etc



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